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◆本の概要

著者:池田紀行
ページ数:303ページ
第1刷発行:2024年3月29日

◆最寄り品と買回り品・専門品の違い

ほとんど検討しない最寄り品は、顧客の生活習慣に組み込まれてほぼ無意識に指名買いされる「習慣購買」の状態となることが重要。一方、購入前に慎重に検討される買回り品や専門品は、オウンドメディアの充実やユーザーレビューの量や質が重要となる。

商品の特徴を考える際は、4象限の商品カテゴリーマトリクスを用いて、まずはざっくりとポジショニングを把握し、その上で自身が担当する商品・サービスの特徴をグラデーションによって補正する2段階のチューニングが必要になる。

◆「PESO」で考えるメディア戦略

○認知獲得向きの「Paid Media」

広告が代表的。認知獲得を得意とするメディアとして利用するのが効果的。

○信頼・評判獲得の「Earned Media」

広告ではなく報道やパブリシティー(情報や記事)として取り上げてもらう考え方である。情報や露出のコントロールに弱みはあるが、信頼獲得、興味喚起、評判形成に強みをもつメディア。

○認知、再想起、共感を高める「Shared Media」

大きく2つに分類される。1つ目はタイムラインにフォローしている人の投稿が流れるSNS。もう1つは、購入した商品の評価が共有される「食べログ」や「価格.com」などのレビューサイト。

SNSの効果は2つ。1つ目は、タイムラインで話題になったり、UGCの露出が増えたりすることで、商品の認知度向上、思い出してもらいやすくなる(再想起)、「行ってみたい」「食べたい」といった興味を喚起する効果。2つ目は、公式アカウントに接触し続けることで想起を維持し、エンゲージメント獲得・向上させる効果である。

レビューサイトは、他者のレビューを読むことで理解が促進され、購入意向の向上に寄与する比較検討メディアといえる。

このように「Shared Media」は、認知獲得、再想起の促進、想起の維持、共感によるエンゲージメントの獲得などで強みを発揮する。

○理解促進メディア「Owned Media」

他の3つのメディアとの大きな違いは、訪問ユーザーの多くはニーズが顕在化しており、情報収集の過程で訪れる。従って、訪問者が知りたがっていることを簡潔に分かりやすく伝える。「Owned Media」=理解促進メディア。

購入前に慎重に検討する買回り品・専門品は、特に自社公式サイト=Owned Mediaとレビューサイト=Shared Mediaでの評価が重要となる。ニーズの潜在期が長時間に及ぶため、SNS公式アカウントのフォローを通じて想起の維持を図ることが大切だ。

購入前にほとんど検討しない最寄り品はOwned Mediaの重要性が低く、失敗リスクが低いためわざわざレビューを書く、読む人は少数派。なくなった商品の補充や再想起によって購入するため、想起集合の上位~第1想起ポジションを得ている商品が強い。

そのポジションを取るには、SNS公式アカウントで高い想起順位を維持し続けること。また、SNSのタイムライン上に頻繁に登場することで認知、再想起、興味喚起、購入意向が促進されるため、UGCの絶対量も重要だ。

なお、Earned Mediaについては、どの商品カテゴリーでもパブリシティーに一定の効果はあるため、可能な限り取り組む。

◆買い物の真実の瞬間

○消費者は4回評価している

あなたの商品は顧客に4回評価されている。

1回目は、お店に行く前やECサイトにアクセルする前に行われる評価。実はここで「どの商品を買うか」、おおよその意思決定がされている。

2回目は、購入の直前に店頭やECサイトへアクセスしたとき。「買うか、買わないか」の評価である。スーパーやコンビニエンスストアで購入する最寄り品ならば数秒で評価され、家電や住宅などの買回り品・専門品なら数週間から数か月にわたって慎重に評価・検討される。ここまでが購入前の評価で初購入(トライアル購入)に強い影響を与える。

3回目は、購入後に商品を使用したとき。買ってよかったか、買わなければよかったかの評価。

4回目は、商品を使うたびに感じるブランド体験の総合的な評価だ。「使えば使うほど愛着が湧いてきた」という愛着やロイヤリティーにつながる評価を指す。

3回目と4回目は「購入後の評価」で、リピート購入と他社への推奨行動に影響を与える。

○真実の瞬間(MOT:Moment of Truth)

スカンジナビア航空では顧客満足度向上を図る上で、分析をした結果、「1人の旅客は、1回の搭乗で、平均5人の乗務員と1回あたり15秒の接点をもっている」という事実を明らかにした。そしてその体験が良ければ顧客はリピートするし、悪ければリピートしないというKSFを突き止めた。これが「真実の瞬間」である。

他にもP&GやGoogleなどにより、消費者は4回評価するモデルが完成した。

ZMOT:Zero Moment of Truth
FMOT:First Moment of Truth
SMOT:Second Moment of Truth
TMOT:Third Moment of Truth

買回り品・専門品のZMOT~TMOT

最寄り品のZMOT~TMOT

○ZMOTには前半と後半がある

注意すべきは潜在などの最寄り品の場合、検索はしない。念入りにレビューを読まない。
この場合、
①思い出してもらうまでのZMOT
②思い出してもらってからのZMOT(買回り品・専門品のみの概念)
の2つを意識する。

①に効果的な手法
広告、PR、タイムライン型UGC(受動的接触)、公式アカウント

②に効果的な手法
検索型UGC(能動的接触)、公式サイト