• マーケティング

The B2B Marketing

◆本の概要

著者:庭山一郎
ページ数:479ページ
第1刷発行:2024年3月18日

〇B2Bマーケティング全般

ファネルの下層部、受注に近づくほどマーケティングの手が届かなくなる。
そこは営業パーソンのスキルと製品そのものの競合優位性の世界である。
パイプラインに入れた案件が同社の他の製品に切り替わるのをマーケティングでは制御できない。

○適切なKPIの定義

KGIに対して最も強い相関を持つKPIを定義し、そこにあらゆるリソースを集中してベンチマークする、これはマーケティングが機能している企業の特徴である。
経験上、以下は相関が強く、商談やその先の受注に繋がる重要な指標となる。

・顧客企業の評価部門へのサンプル供給
・キーパーソンのショールーム訪問
・キーパーソン集めたラウンドグループミーティング
・複数人での動画閲覧
・詳細資料の請求やDL

○データモニタリング

企業のマーケティング戦略によって「必要十分なデータの量・質」は変わる。B2Bマーケターが最も気を配るべきは、システムの機能でも検索エンジンのアルゴリズムでもなく、自社の顧客・見込み客のデータの状態である。

○デマンドセンター

オリエンに参加して提案をする場合、付加価値の付け方が難しく、リスクの高い受注、儲けの薄い受注になりやすい。「コト売り」に転換するためには顧客企業の奥深いところで課題やリスクが発生したタイミングでアプローチしなければならない。この時に「我々はこうした課題を解決した経験とスキルを持っています。この課題を一緒に解決しませんか?」とアプローチしなくてはコト売りにはなりません。つまり、コト売りするためには、顧客企業の奥深くで発芽した課題やリスクを発見する仕組みを持っていることが前提になります。その仕組みこそがデマンドセンターなのです。

○PMF(プロダクトマーケットフィット)を実現するアプローチ

ホールプロダクト(購入者の期待に応える完全なる商品)

・コアプロダクト/基本プロダクト
製品そのもの、またはその製品の核を成すもの。

・期待プロダクト
購入者があって当然と思うもの。PCで言えばモニター、マウス、キーボード。

・拡張プロダクト
あって当たり前ではないが購入した目的を果たすために必要なもの。PCで言えばOfficeなどのソフトウェア。

・理想プロダクト
購入者が予想もしなかった機能やサービス。この理想プロダクトまで揃えたら圧倒的なシェアがとれる。例えば、iphoneの位置情報機能など。

○計画の立て方

現状の減衰率を考慮し、どれだけのMQLが必要なのか?という議論を進める。

マーケティングが機能していない企業ではSGL由来が100%に近く伸び代が少ない。
反対にSALはまだまだ伸び代がある。

○3Dセグメンテーション

B2Bの場合、業種や規模などの属性情報よりも、その企業がどういう状態になったらその製品・サービスが必要になるのか、というセグメンテーションのほうが案件を見つけやすい。例えば、オフィス家具販売の場合、オフィス移転と最も相関性が高いのは社員数の増減。

○B2Bマーケティングにおけるブランド

ブランドには「企業ブランド」「製品ブランド」「ソリューションブランド」が存在する。この3つのブランド全てに「ターゲットセグメントから見て」という視座が入る。受注をKGIとするB2Bマーケティングの場合、ターゲットセグメント以外に知ってもらう意味はほとんどない。マーケティング部門が意識すべきは「受注」と相関を持つブランド。

企業ブランド
ターゲットセグメントがある状態になったときに真っ先に思い浮かぶ社名3社に入っているか?

製品ブランド
ターゲットセグメントがある状態になったときに、真っ先に思い浮かぶ製品。サービス名3つに入っているか?

ソリューションブランド
B2Bでは最も重要なブランド。その企業や製品・サービスは何が得意なのか?どんな課題を解決してくれるのか?というソリューションが認知されていないと案件をつくるのはとても難しくなります。

・デマンドジェネレーションの4つのプロセス
まずはデマンドジェネレーションというインフラを整備、その後にコンテンツの質と量を高めていく。

○「マーケティング偏差値」と業績は強い相関を持つ

日本企業の特徴の1つがマネジメント層にMBAが少ない。営業畑、技術畑、経理畑とそれぞれから昇進した人で占められるのでマーケティングを体系的に学んだ人がいない。それどころかマネジメントを学んだ経験がある人も少ない。

○KPIの設定

B2BマーケティングのKGIは基本的に受注であるべき。KGIに対して最も強い相関を持つKPIを定義し、そこにあらゆるリソースを集中してベンチマークする。
適切なKPIを設定するためにはどう分けるか?(商材領域、toB/toC)
マーケ:メール閲覧→お役立ち資料DL→ウェビナー参加
営業 :→電話→ヒアリング→提案(KPI設定にはターゲットの定義が必要)
ターゲット:例えば、価格転嫁に難航している製造業、価格転嫁を終えた製造業、通年黒字だが前期赤字の製造業、3年以内に代表が交代した製造業、社員数が減少している

〇用語

SGL:sales generated lead:営業活動の中で発生した案件
SAL:sales accepted lead:マーケティング由来の案件
RFM分析:R(リーセンシー;最後の購入日)F(フリークエンシー;購入回数)M(マネタリー;購入合計金額)→重要顧客を洗い出す

〇印象的な言葉

・多くの場合、問題はやっていないことでなく、頑張っていることが受注に結び付いていないことなのです。
・「戦術を持たない戦略は絵にかいた餅だ」とよく言われますが、その逆に「戦略のない戦術は単なる動きで、リソースを使い果たし、現場は疲弊しても成果を上げることができない」
・製造業ではトップ10%の顧客が売上の90%を占めるのは難しくない。