• 人材採用・育成

小さな会社の採用・育成・定着

◆本の概要

著者:大園羅文氏
ページ数:245ページ
第1刷発行:2023年7月1日

全国有効求人倍率:平均1.35倍 大卒1.71倍
離職率全国平均:14.0%
入社3年以内(高卒):36.9% 大卒31.2%

この数値を中小企業に限定すると、
大卒の有効求人倍率:5.31倍
入社3年以内離職率(高卒):48.7% 大卒44.2%
つまり、人が採れない、定着しない

Z世代の特徴の1つとして、「目的志向があり、先行き不透明なものを嫌がる傾向が強い」

人材像策定のメリット

・求職者の帰属欲求に応えられる
「自分は求められている」という自己肯定感が生じる。集団に帰属したい、認められたいとうい本能を持つ人間にとって、この肯定感は入社への強い動機付けとなる。

・採用活動で打つべき手がわかる
採用する媒体や自社のアピール方法が自ずと明確になり効果を上げることができる。

・企業にとって不要な応募防止につながる
ミスマッチを一定数減らせる。

・面接官の判断ミスを防止する
面接官の価値基準によるばらつきが生じにくい。

求める人物像策定方法

・求める人物像は、今後の事業展開や経営ビジョン、コンピテンシーをもとに洗い出す
会社のビジョンを実現するために必要な人材像を洗い出す。
自社で活躍する人材に共通した行動特性(コンピテンシー)を洗い出す。

・洗い出した情報をスキル/マインドに区分する
スキル:
―【能力】学力、思考力、対人能力など
―【知識】専門性、技術知識、保有資格
―【経験】対人折衝、企画、研究、前職の仕事

マインド:
―【社風適合】志向、価値観、性格など

整理が完了したらそれぞれの要素をMust, Want, Negativeの3区分に細分する。

その後、Must要件を言語化する。
例えば、「主体性のある人材」を「わが社にとっての主体性のある人材とはどのような行動をしている人材か」について検討します。

採用戦略に必要なことは3つ
「オンライン化」「多様化」「早期化」

・オンライン化
求職者の参加ハードルを下げ、応募を増やすためにはリアルとオンラインのハイブリット化が求められる。

・多様化
「売り手市場」によって、採用の手段も多様化している。各種採用媒体、SNS、等。

・早期化
㈱ディスコの調査によると、3月までに面接を開始している企業は66.5%、内定出しも3月までに40.1%の企業が始まっている。

自社の魅力、強みは、フレームワークで洗い出す

人が組織に魅力を感じ、参加したいと思う理由は4つに大別される

求職者が求人原稿でチェックするポイント

求職者にあなたの強みはなんですか?と聞くと同様に、
あなたの会社の他にはない強みは何ですか?と答えられるか?

若手社員向けの教育計画を策定するメリット
・若手社員の定着率が向上する
・全社員のスキルアップを図ることができる
・教育費用の削減につながる
・モチベーションの向上が期待できる
・企業リスクが軽減できる

若手社員の到達レベルを検討する際は、以下のような「マインド」「ポータブルスキル」「テクニカルスキル」の3区分でそれぞれの到達レベルを具体化します。

「マインド」
自社で働くうえで必要な心構え・価値観・考え方のこと。

「ポータブルスキル」
ビジネスパーソンとしてのベースとなる能力もしくは業種や職種を問わず、どこにでも持ち運んでいける考え方や技術のこと。

「テクニカルスキル」
担当業務を遂行するうえで必要な知識・スキル・技術のこと。

求める人物像の策定手順
STEP1 自社の経営理念・ビジョンをもとに「あるべき姿」を具体化する
STEP2 あるべき姿を実現するために必要な人員の年代と人数を算出する
STEP3 あるべき姿を実現するために人材に求められるコンピテンシーを言語化する

STEP1
求める人物像を検討する際も、「過去に自社で活躍していた人材が持っていた知識・スキル・技術(過去軸)」や「いま求められる人材の知識・スキル・技術(現在軸)」だけでなく、「経営理念やビジョンの実現に向け、将来の自社を担う人材が持つべき知識・スキル・技術(未来軸)」であるかの観点が必要です。

STEP3
自社が「求める人材」に必要な行動特性(コンピテンシー)を明確化します。
各部門・職種において「何が、どのレベルまでできていれば一人前と呼べるのか」「自社で活躍する社員に共通する行動特性とは何か?」といった求める人材像における要件の言語化は、現場のリーダーである部門長の仕事です。

明確化の手法は以下の3つ。

・部門長間でのディスカッションまたはヒアリングシートをもとに人事責任者が部門長へヒアリングを行う。
・社会人基礎力をもとに、求める人材の要件を洗い出す
経済産業省が提唱する「社会人基礎力」 3つの能力/ 12の要素

△前に踏み出す力(アクション):一歩踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力
―主体性:物事に進んで取り組む力
―働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
―実行力:目的を設定し確実に行動する力

△考え抜く力(シンキング):疑問を持ち、考え抜く力
―課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
―計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
―創造力:新しい価値を生み出す力

△チームで働く力(チームワーク):多様な人々とともに、目標に向けて協力する力
―発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
―傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
―柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
―状況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
―規律性:社会のルールや人との約束を守る力
―ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力

STEP4 STEP1~3までの情報を「スキル」と「マインド」のカテゴリーごとに整理する
収集した要件をスキルとマインドに区分する。
スキルの要素は能力・知識・経験
マインドは社風に合うかどうかが基準

STEP5 STEP4をMust要件・Want要件・Negative要件に区分する
伸びしろをつくるための基礎教育

新人を一人前にするために、まず習得すべきはマインドとポータブルスキルです。
この2つの要素を入社3年目までの初期段階で、いかに鍛えらえるかが、その新人の成長スピードに大きく影響すると考える。

教育や評価は結果通知では意味がない。
半期の振り返りやできたこと・できなかったこと、成長したことや自身の今後の課題などについて話し合う場を設け、成長実感の醸成や今後の課題設定、キャリア形成を行うことが重要です。

求める人材に適合した採用媒体の選定方法
・各媒体の強みや特徴と求める人材の親和性
「リクナビNEXT」「マイナビ転職」は全国的に知名度があり、30代後半~40代の人材が多く登録している媒体であることから、地方採用や経験者・マネジメント層の採用に強い。
「エン転職」「doda」は会員の多くが20~30代と若手採用に強い媒体。

・地域性
直近で入社した社員にヒアリングし、どの採用媒体を活用したかを確認することも有効。

求める人材の応募を増やす求人原稿の書き方
・求める人物像をもとに訴求するキーワードを選定する

ポイントは具体性を持たせる(定量的な情報を提示する)こと。

② 訴求するキーワードをもとに求人原稿を作成する
ポイントは「いかにトップ画面のインパクトを大きくできるか」です。